Saturday, December 15, 2012

パタゴニアで暮らすきっかけ 2




木乃実:ポールがここを(今の土地)上がってきてね。
あの風景を、その川と山のね、あの風景を見た瞬間に「買う!」と言ったのよ。値段も聞かずに。 (笑)

「いくらですか?」と聞いて、言われた値段はちょっと高いなって思ったのね。 
だけど彼はこの場でピンときたものを買わないと、手に入らないからと言って、それで買ったのね。
買った後に気がついたのよ。
二人でイメージしたこういう場所ねって言ったのが、川が二つあって合流して海へ流れて行くような、そういう風景が見える所で、目の前に雪山が見えたら最高だね、という場所だった。
「ここはわたし達がイメージしたのとおんなじ風景だね。」というのに後から気がついたの。

ああやっぱりそういう風なんだって思った。
自分がイメージしてエネルギーをフォーカスしたら、そこに自分が引き寄せられていくのか、
モノが引き寄せられてくるのか。
でもそういう目に見えない世界での不思議なマジックっていうのは、あると思うのね。
それが一つある。
それと同時に、もしかしたら自分たちが、いくつかある未来の中の、一つの未来にフォーカスして、
それを見ているのがこれだって思うのか、どちらかわからないんだけどね。

肉体のあるこの三次元の世界だけで解決しようと思っていると、解決できないんだけど、ちょっと目に見えない世界とか、エネルギーとか、自分が持っている思考のエネルギーってすごい強いとよく言うよね。
ネガティブなエネルギーを使ったら、ネガティブなモノがすぐ返ってくるとか、ポジティブなモノを発したら
すぐポジティブなモノが返ってくるとか。
意識して経験し始めるとだんだんわかってくるのね、まるで自転車乗るみたいに。
そんなふうに、この土地との出会いがあった。

最初にパタゴニアに来た時に、緑と青と白の三色の色っていうのはすごい印象に残っていたの。
それから家作りを始めるんだけど、それはまたそれでね、思うようにいかないことがあった。
例えば日本やアメリカでは、すぐホームセンターで買えるものが、ここは一番近いホームセンターが
バスで6時間行かないとないの。
そういう現実にもぶつかって驚いた。
結局一輪車やシャベルを買いに、300キロ離れた町まで行ったりね。
リアカー、バスに乗せて帰ってきたんだけどね。(笑)

想い通りにいかないこともたくさんあった。
雨がすごいの。 最初に来た時、六週間くらい雨が降ったのかな。
雨が多いのにもちょっとめげた。
わたしは最初、一輪車も押せないくらいチカラ弱かったしね。
シャベルを使った掘り方もよく知らない。

どうしてこんな所に来て、こんな大変なことしてるんだろうと思った時に、ふと顔あげるとこの景色があるのよね。
景色を見ると、「あぁやっぱりここにいられることは幸せだ。」とすぐに思うのよ。(笑)

この大自然のエネルギーに… 最初に感じた、人が少なくて自然のエネルギーがいっぱいあるという、
その自然のエネルギーにすごく助けられてきたなぁって感じがする。

この土地はもともと牧場で家畜を放牧していたから、牛や羊が歩き回って、すごくボコボコになっていたのね。
木も全部切られていた。
羊や牛に草を食べ尽くされていた。
すごくダメージのある土地だったんだけど、だからいいなぁとポールが言ったの。

利用されて使われ尽くして、ちょっとヘトヘトになってお疲れさんな感じの土地だから、僕たちがこの土地を
どんどんどんどん美しくしていくことが出来るんだよねと言ったのね。
家を作る、自分たちが住むシェルターを作るとか、食べるための食べ物を作るっていう、自分たちの生きていく為の土地でもあったんだけどね。
同時に、ここをもっともっと綺麗にして… 例えば一面花畑にするとかね。
まるで地上の天国のようだねって言われるような場所にしたいっていう、想いもすごくあったんだよね。

それが地球へ自分たちが還してあげられること。
今までずっと取り続けてきたからね。
やっぱりいつも還してあげることを、特にポールは考えているんだよね。

人間は地球に、何を還してきたかなってよく彼は言うのね。
取り続けてきたけど。
あまり自分が取り続けてるっていうことにも気づかず生きている人も多いし、
取り続けてお金を儲けて、もっともっとと取り尽くしてしまう人が多かった。
地球に還そうっていう人たちがまだ少ないんだけど、取るのを最小限にして
どんどん還していったら、地球が元気になるんじゃないかなと思う。

そういう想いがこの土地にはすごくあると思う。

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