Saturday, December 8, 2012

アースバッグのお話



VW:すごい暖かいこの中。

木乃実:あったかいね。今、何度くらいあるんだろうか

VW:これは、二人が工夫して作ったビニールハウスですね。

木乃実:あれが、アースバッグです。
ポリプロピレンで編んである、肥料を入れたり、ジャガイモを入れたりするのかな。そういう袋に土を詰めて、
横倒しにして、どんどん繋げていって、一回一列やったらコンパクトにするために、上からトントンと叩くのね。
その上に有刺鉄線をぐるっと二列入れて、二段目を積んでいくのよ。
二段目と一段目の間に有刺鉄線が入っているから、動かないようになっている。

VW:なるほどね。

木乃実: アースバッグって、基本はもうそれだけなの。

VW:これであの家が出来てるのね。

木乃実:それであの家が出来てるんですね。

VW:すごい。 でも考えようによっては、誰でも作れるっていうね。

木乃実:そう、誰でも作れる。
特にわたし達は、ここの土が粘土質だから、土の中には15%くらい粘土が入っていて、粘土だから
乾くとガチッとなるような壁を作ったのね。
袋が万が一破れても、50年か100年くらいは壁が保つっていうやり方をしたんだよね。

中はね、日本で言ったら鹿沼土っていうの?
これは火山が爆発したときの軽石。
こういうのを入れてもいいのね。これだとすごく軽いし、空気が中にいっぱい入っているから、断熱効果があるの。
うちは、二階の壁はこれで作っているのね。二階は、重さがありすぎると、一階に負担がくると思ってね。
これでもできるし、砂でもできるし、中はどんなものでもできるのね。
砂だと、袋が破けたら、砂が出てきてしまうということがあるから、袋が破れないように二重にしたりね。
壁を積んだ状態ですぐに漆喰を塗って壁を作るという、保護してしまうやり方もあるのね。
この袋は直射日光には弱いので、直射日光にだけ当てないようにすれば、500年くらい保つの。

VW:えぇ!

木乃実:そうそうそう。

VW:この袋はどこから買ったの?

木乃実:これ、サンチャゴから買ったの。

VW:サンチャゴにあるんだ。

木乃実:うん。作っている会社があって、直接買ったのね。最低千枚からっていうことで、最初に二千枚買った。
これもバスに乗って、次トラックに乗って、フェリーに乗って、はるばるやってきた。
うちは道がないから、メインの道路からみんなの肩に担がれて、やってきました。
(笑)

これは、水道なんかに使うパイプよね、PVCのパイプ。(屋根の骨組み)

VW:ああ、それを工夫して屋根にしてね。

木乃実:このビニールはUV加工してあるビニール。まぁこういうのは、地元の道具屋さんで買えるんだけどね。
こういう材木はここから10キロくらいのところに、材木を切り出している人がいて、
その人の所から買っているの。
この辺で一番たくさん生えていて、成長するのも早い、テパっていう木を使っているの。
水に濡れても腐らないように、クレオソートを塗っている。
虫が食べないように。ちょっと臭いんだけどね。

地元のもので、水に強くて、虫も食わないような材木もあるんだけど、それはすごく成長が遅いから、
あまり切りたくないからね。
ここに使っているティパっていう木はうちでも植えた。

VW:このグリーンハウスがあれば、冬でも野菜がたくさん採れる。

木乃実:うん、そうね。冬中ずっと、緑の葉ものが出来るよね。

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