Wednesday, December 5, 2012

お台所に合わせた暮らし



木乃実:最初はね、すごい不便だと思っていたけど、やってみれば、いろいろ工夫して出来るもんだなぁと思った。
無駄なものは、いらないのかなぁと思ってね。

例えば洗剤もね、日本にいるときは手に優しいマイルド洗剤とかいろいろ使っていたけど、
ここではたらいで洗ったら、その水を畑にジャバーって流すからね。
使うのは、地元で売ってるグリセリン100%のポパイっていう赤ちゃん用の石鹸があるの、
香料も何も入っていないような石鹸ね。
それをちょっとだけつけて、ほんとにひどい汚れのときね。
そうでないときは、お湯でサササって洗って終わり。

何でも「これは畑に行くんだ。」と思うからね。
いつも気をつけて。
食べ残しは、パンで綺麗にお皿を拭いて。お湯で流してなんにも、食べカスとかはあまりたらいに入らないように、っていうのは考えるようになった。

そうするとね、洗剤を使わないから手もカサカサにならないし、クリームも全然使った事もないしね。
いまは、一個の石鹸で何でもやる。
洗濯も、頭をここで洗うときも、お湯を沸かして、バケツ二つ持って来て、蜂蜜の容器を使って、
まるで昭和の人みたいに、頭からお湯を掛けて一人で洗うんだけどね。(笑)
それも普通の石鹸できれいに落ちるの 前は石鹸だと髪がカサカサになるなんて思っていたけど、
まぁ、慣れるとそんなに気にならない。
石鹸で洗ったあと、ちょっと時間が経ったら、もう元のツヤツヤの髪に戻っているから、
そんなにいろんなものはいらないね。
シャンプーすると油分が全部抜けちゃうから、リンスとかしてコンディショナーを使う。
必要なもの取ちゃったから、後から化学製品で足しましょう、みたいになってるんだあって思ったの。
ポールは、石鹸も使わない。
全部お湯で終わり。
その方がカサカサにもならないし、無駄なものもいらないしね。

お料理もね、そんなに手の込んだものも出来ないから、畑にあるものを取ってきてサラダにしたり、
ちょっと炒めたりしてね。
パンは薪ストーブで焼くんだけど、薪ストーブも暖かい時はガンガン火を焚けないから、そういう時はトルティーヤを作ったり、工夫してね。

自分でパンを焼くと、このパンを食べる為にも、これくらいの薪=エネルギーが必要なんだとか、そういう事がよくわかってくる。
例えば、ご飯は炊く時に、すごくエネルギー使うよね。
うちはポールがご飯をそんなに好きじゃないから、ご飯ほとんど炊かないけど。

なるべくエネルギーを使わないもの、サラダとか、ちょっと簡単に煮えるものなんかを作る・・・ スープも前はね、野菜を大きく切って煮ていたけど、時間がかかるから、今はすごく細かく切る。
最初、細かく切ったいろんな野菜を全部お鍋にいれて、オリーブオイルとお塩をちょっと入れて
蒸し煮みたいにするの。
お水を少し入れてね。
そうすると、普通にお湯でスープ煮る時間の四分の一くらいで済むんじゃないかな。
すぐに柔らかくなる。 
その後トマトソースなんかを入れて、お湯入れて沸騰したら終わり。
すごく簡単な、でも、おいしい料理の作り方になったのよね。

昔はよく、献立を考えてお店に買いに行っていたけど、今はもうあるもので作る。
そうすると、夏から秋かな、一番野菜が採れる時は、ほとんど食費いらないもんね。

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